まるしん's diary

丸山伸一のブログです。日常の出来事(主にプライベート)、読書・映画評などを綴ります。

Book Review『海賊とよばれた男(上・下)』(百田尚樹、講談社)

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 さっき夕食をとりながら読み終えたのが『海賊と呼ばれた男(上・下)』(百田尚樹、講談社、2013年本屋大賞1位)。写真のバックに敷いたのは、たまたま本日(5月9日)付読売新聞など主要紙に掲載された出光のカラー全段広告です。「60年前の今日。日章丸は、この国の未来を運んだ。」のコピー。まさに日章丸事件で世界を驚かせた出光の創業者、出光佐三氏の生涯を書いたドキュメントが『海賊と――』です。
 オビにもありますが、この「歴史経済小説」は、戦前から戦後・高度成長期の出光「社史」をベースに...小説的アレンジを施したもので、見方によっては何ともあざとい作品と言えるでしょう。戦時中、同じ作者の『永遠のゼロ』の主人公・宮部少尉が、出光氏(小説では國岡鐵造)と偶然にあいさつを交わすシーンなどは、ちょっとやりすぎかもしれません。
 ただ、一気に読め、十分に面白く、十分に泣けます。自分が会社経営のトップになったら、「國岡のようにありたい」と、また、仕える側ならば國岡のような人間に仕えたいと、思う人も多いでしょう。
 巻末の「主要参考文献一覧」の中に、私が「あらたにす」編集長時代にお世話になった元日本経済新聞経済部長の作家・水木揚さんの著書がありました。あちゃー、懐かしい。水木さんにお会いして、出光佐三氏のことを聞いてみたくなりました。(5月10日読了、FBアップ済み)