まるしん's diary

丸山伸一のブログです。日常の出来事(主にプライベート)、読書・映画評などを綴ります。

「飛ぶボール」と「飛ばないボール」

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 NPB日本野球機構)の下田事務局長が突如、今季から統一球をひそかに飛びやすく変更していたことを6月11日の記者会見で明らかにしました。しかし翌12日の会見では、加藤良三コミッショナー(71)が「まったく知らなかった。知っていれば公表していたであろう。これは別に不祥事ではない」と言い放ったものだから、マスコミは「能力がない」「誰かをかばっているのか」と大騒ぎ。

 

 品のない週刊誌ばかりではなく、朝日、日経までもが「飛ぶボールに変えろと言ったのは、プロ野球界の黒幕として存在する大物(=ナベツネさん)」などと、根拠もなしに書きたてるものだからたいへんです。

 

 結局、NPBは第三者委員会に調査を依頼して、7月10日のオーナー会議までに調査結果報告を求める、という逃げを打ったわけですが、第三者委に依頼って、いったい何を調べてもらって、何を提言してもらうっていうのかしらん。最近の組織・企業・団体のコンプライアンス欠如による不祥事は、発覚したらすべて第三者委員会で検証してもらうという“丸投げ”、まことにおぞましい風潮ができあがっているようです。

 そうではなく、ボールの変更のきっかけと、その理由、決定プロセス・関与者、なぜその時に公表しなかったのか、などを加藤、下田氏ら執行部がきちんと説明責任を果たすのが最初だと思います。なにより、ボールを変更したとき、あるいは「今年のボールは飛ぶんじゃないの?」という声が相次いだ時に、なぜ「その通りです、変えました。基準値の範囲内で。お知らせしなくてすみません。『飛ぶボールに戻してほしい』という12球団のオーナー会議の多くの意見を受けて実施しました」と、白状しなかったのか。それが大きな間違いだと思って書いたのが、表記のコラムです。

 (2013.6.15 スポーツ報知別刷り「L」3面コラム<L編集室便り>)