まるしん's diary

丸山伸一のブログです。日常の出来事(主にプライベート)、読書・映画評などを綴ります。

【山の記録】南アルプス、歩いてみたらハードコース=椹島~千枚岳、荒川岳(東岳)~二軒小屋

3000m級の山嶺の紅葉を Nikon1 J5で撮りたい (↑左側は悪沢岳、右は丸山) <2015年9月19日~22日、シルバーウイークに3泊4日で南アルプス南部を歩いた。同行者はいつものD山岳会メンバーの男性4、女性1人。今回はNikon1 J5を持参し、スマホ写真とはひと味…

【山の記録】今夏は“撤退”=北アルプス・徳本峠、奥又白池

目指したのは、奥又白池だ。上高地・徳沢から新村橋を渡り、難所・松高ルンゼに沿った中畠新道を登った終点にある天空の池。クライマーたちの前線基地でもある。急な岩場もあるため、ザイル、カラビナなども用意して臨んだのだが…。残念な【山の記録】ですが…

【山の記録】九重山群=久住山、中岳

ノリウツギ群生する九重山群へ 阿蘇くじゅう国立公園の北の一角に連なる山群「九重山(くじゅうさん)」。その代表格が、昔から神体山として崇められてきた久住山(1786.6m)だ。九州本土最高峰の中岳(1791m)も、すぐわきに位置している。2015年8月1…

君は博多祇園山笠を見たか!

伝統の民族文化、担い手と目撃者たち 初めて見た。774年の伝統を持つ国重要無形民俗文化財の博多祇園山笠。 東京から福岡へ転勤してきてほぼひと月というところで、博多祇園山笠のメーン会場・櫛田神社(福岡市博多区)の桟敷席チケットをいただいた。いま福…

一枚のモノクロ写真がささやく

ぶらりと出かけた写真展や絵画展で、思わず足が止まる作品と出逢った経験は、だれにもあるだろう。ボクの場合、このモノクロ写真「新聞スタンド 1938年」もそのひとつ。映画『LIFE!』に報道カメラマン役で登場するショーン・ペンではないが、写真中…

高校の先輩、遠藤湖舟さんの写真展~美は天空に、地上にあり

「湖舟(こしゅう)は本名ですか?」。初対面の人から必ず聞かれるという。遠藤さんが「そうです」と答えると、先方の反応は「いい名前ですね」「ご両親は芸術家になってほしかったのでしょう」「子どものころ、いじめられたりしなかった?」などさまざまだ…

『男ともだち』(千早 茜著、文藝春秋)~最近読んだ本

2015年2月25日読了。もろに世代ギャップを感じました。アラサー男女が演じる「月9ドラマ」の脚本みたいな内容だったから。でも古典文学の「恋愛論」のような懐かしい趣もあって、実は二晩で読み終えました(笑)。 主人公の女性は29歳のイラストレ…

『東京自叙伝』(奥泉光著、集英社)~最近読んだ本

2015.2.20読了。最近読んだ本の中では一番インパクトがあったように思う。ネット上の書評で見つけた「怪作」という表現がぴったり。 「多重」ならぬ「多在人格」の「東京の地霊」が主人公 主人公「私」は、太古から東京に棲みつく「地霊」だそうだ。時空を超…

『巨人V9とその時代』(山室寛之著、中央公論新社)~最近読んだ本

2014年11月13日付「スポーツ報知」に、わが師匠の近著の書評を書かせてもらいました。(以下の記事PDFが不鮮明なので下段にテキスト掲示します) 「プロ野球黄金期」のクロニクル 著者・山室寛之氏は、ボクが読売新聞社会部の駆け出し記者時代に、警視庁記者…

漱石『こころ』の再読と、姜尚中『心の力』

朝日新聞で夏目漱石「こころ」の<100年ぶり連載>が終了した9月末、オピニオン面の「朝日川柳」に、こんな一首が選ばれていた。 ☆先生も奥様だけには言いません 千葉県 村上健 なるほど、漱石「こころ」に出てくる先生は、「私」宛てに遺した長い長い手紙の…

中央アルプス・駒ヶ岳の夕陽とご来光~2014.10.11~12

今回のブログは、「落陽」と「ご来光」を中心に書いてみようと思う。 というのは、 初日、山頂から燃えるような夕陽を眺めた感動さめやらぬまま、翌朝、再び神々しいご来光に手を合わせる僥倖と遭遇できたから。長い登山経験の中でも、これほど鮮烈なのはち…

『荒神』(宮部みゆき、朝日新聞出版)~最近読んだ本

2014年10月4日読了 時代は元禄、陸奥の国の永津野藩と香山藩は、かつては主従の関係にあったが、関ヶ原の戦を機に、いがみ合うようになる。永津野藩の重臣、曽谷弾正は、山間部で養蚕業を起こすなど財政の立て直しに手腕をふるう一方で、「牛頭馬頭(ごずめ…

報知コラムのアーカイブ

最後のコラムから、もう1年がたつんですね。次のアーカイブができますよう、積極的に書き続けます。

『影法師』(百田尚樹)、『まほろ駅前狂騒曲』(三浦しをん)…最近読んだ本

2014年9月14日。『影法師』(百田尚樹、講談社文庫)を5日間で読了。百田には珍しい時代小説だ。文章に無駄な脂肪がなく、さらりと読め、かつ面白かった。 『永遠の0』に通じる「義とは何か」 NHK経営委員としての百田の発言が、政治的中立を逸脱し右寄りだ…

『私の男』(桜庭一樹)、『虚ろな十字架』(東野圭吾)、『閉鎖病棟』(帚木蓬生)~最近読んだ本2014.8~9月

桜庭一樹『私の男』(文春文庫)読了。封切られた同名映画が話題になった。その映画に好きな女優二階堂ふみが出演している。さっそく文春文庫を手に取った。 1993年の奥尻地震で家族を亡くした9歳の「花」は、紋別に住む親戚の25歳の男、淳悟に引き取られ養…

2年ぶりの涸沢 2014.8.22~23

今夏は、ほんとうに雨が多い。それも週末に集中して降る。嫌になる。 豪雨の予報で直前に中止したり、出かけてはみたもののやはり悪天候で引き返したり、登山計画は台無しになってばかりだ。平地でのゴルフさえも5回に4回は、傘ではどうにもならないくらいの…

語彙・読解力検定「準1級」に合格

合格通知が届き、とにもかくにもホッとしています。 朝日新聞とBenesseが共同実施している「語彙・読解力検定」を受けました。上から2番目のランクの「準1級」。最近は、大学入試や入社試験で、この検定資格を加点あるいは一定考慮するケースも増えているそ…

和田竜『村上海賊の娘』(上・下、新潮社)~最近読んだ本

久しぶりのBook Review。『村上海賊の娘』を2014年6月19日読了。 時は天正4年(1576年)。京都から西に勢力を伸ばそうとしていた織田信長は、大坂本願寺(現在の大阪城の場所)を激しく攻めたてる。<いわゆる「石山合戦」。この部分は、NHKの大河ドラマ「黒…

「暴言」中学生と歴史の生き証人

「死に損ないのくそじじい」 修学旅行で長崎を訪れた横浜の中学生が、爆心地周辺を案内していた被爆者で語り部の森口貢さん(77)に「死に損ないのくそじじい」などの暴言を吐き、森口さんが学校側に抗議した、というニュースが流れた。(2014.6.7) なんと…

大人の夜行軍

この6年で7回目を迎えた「東京・大人の夜行軍」。長野県松本深志高校の郷友会伝統行事だった夜行軍(ひと晩に数十キロを集団踏破)を、在京のOB・OGが「大人向けに、距離を縮めて」復活させたものだ。「終点は終夜営業の寿司屋とし、始発電車まで飲む」を条…

八ヶ岳~編笠山・西岳~2014.4.26ー27

2014年ゴールデンウイーク、八ヶ岳の編笠山、西岳を1泊2日で登って来ました。頂上付近はまだ雪が50㎝ほど残り、アイゼンを履いた靴が膝までもぐる悪い状況。登り、下りとも意外に苦労しましたが、冬山の名残と春山の兆しを両方味わってきました。

『蜩ノ記』『ゴールデン・スランバー』~最近読んだ本 2014.3.18

◆『蜩ノ記』(葉室麟、祥伝社文庫) 作者・葉室麟(62)は北九州生まれの元地方紙記者。『蜩ノ記(ひぐらしのき)』は2年前の直木賞作。 江戸後期、豊後・羽根(ぶんご・うね)藩(現在の大分県の一部)の檀野庄三郎は、藩邸内で同僚相手に刃物沙汰を起こし…

『櫛挽道守』(木内昇、集英社)~2014.3.1

木内昇の『櫛挽道守(くしひきちもり)』を読みました。直木賞作家(2011年『漂砂のうたう』)だけあって、リズムの良い、拍子をとるような、それでいて抑え気味な文章の運びは見事、斜め読みなどではなく、真摯にじっくりと読み干した1冊です。 時代は黒船…

『ミッドナイト・バス』『ペテロの葬列』『怒り』『一刀斎夢録』~最近読んだ本 2014.2.27

最近読んだ本を、まとめておきます。(一部FBにアップ済み) 【2014年2月21日公開】ソチ五輪。朝方まで会社でLIVE映像観ながら新聞作り。タクシー帰宅すると、疲れてるのに、なぜか目は冴えちゃうんですね。読書がすすむクンったらありゃしない。『ミッドナ…

名取洋之助~「前畑がんばれ!」を撮った男

きょう(12月10日)の「スポーツ報知」朝刊(東京本社発行版)「L」に書きました。1936年、日本人初の報道写真家として、ヒットラー政権下のベルリン五輪を取材した名取洋之助(1910-1962)のこと。大観衆で埋め尽くされた開会式のスタジアム、女子200メー…

スポーツ紙って面白い!?――業界誌に書きました

日本新聞協会発行の『新聞研究』12月号に、こんな駄文を書きました。 「スポーツ紙のジャーナリズム」 報知新聞社取締役編集局長 丸山 伸一 読売新聞東京本社の論説副委員長だった昨年6月、『スポーツ報知』発行社の編集局長へ異動を命じられた。勝手が違う…

北アルプス~西穂高岳・独標~鎮魂の山行

2013年9月14(土)~15日(日)、山仲間6人で北アルプスは西穂高岳を目指す。 ↑ 中央のピークが西穂高岳(2,909m)。右側、くっきり三角錐様にそびえるのが独標(2,701m)。さらに右の鞍部に西穂山荘がある。ロープウェーを降りた「西穂高口」展望台から撮影…

Book Review 『終わらざる夏』(上~下、浅田次郎、集英社文庫)

1945年8月15日、玉音放送。 終わったはずの戦争が、もう一度始まる――。 そんな帯のコピーに惹かれ、読み始めた浅田次郎である。 太平洋戦争末期、東京の出版社に勤める翻訳者・片岡は、兵役年限直前にまさかの赤紙を受け取り、医専卒の医師・菊池、歴…

北アルプス~常念岳から蝶ケ岳~2013.8.15~16

今夏、信州・安曇野に帰省して、“お盆登山”の目的地を<北アルプス・常念岳~蝶ケ岳>と決めたときに、こう思っていました。「ソロ(単独行)なので、高山植物図鑑を手に、余裕を持って花を見ながら登ることにしよう」と。 【第1日=8月15日(木)】・午前6…

山の花の名前

きょう、小さな図鑑を買いました。『高山の花』(山と渓谷社、1,200円)。自分で図鑑を購入するなんて、何年ぶりだろう。 それというのも、最近、山に登るたびに思うことがあるからです。 「美しい高山植物が目の前にあるのに、自分はその花、木の名をほとん…