まるしん's diary

丸山伸一のブログです。日常の出来事(主にプライベート)、読書・映画評などを綴ります。

北アルプス~常念岳から蝶ケ岳~2013.8.15~16

 今夏、信州・安曇野に帰省して、“お盆登山”の目的地を北アルプス常念岳~蝶ケ岳>と決めたときに、こう思っていました。「ソロ(単独行)なので、高山植物図鑑を手に、余裕を持って花を見ながら登ることにしよう」と。


 【第1日=8月15日(木)】・午前6時、安曇野市豊科高家の実家にタクシーを呼び、常念登山口の三股まで直行しました。約30分、6600円。
・午前6時35分、歩き始めます。晴れ、微風。登山届を出して、樹林帯に入るとすぐに急登が続き、大汗です。
・9時40分、そろそろ息も切れてきました。突然ハイマツ帯に出ます。花崗岩の白とハイマツの緑のコントラストが美しく、これから登っていく前常念、常念岳、安曇野盆地、常念、蝶などの眺めも素晴らしい。

 

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・10時50分、前常念避難小屋(無人)

 ・さらに登って12時ちょうど、常念岳(2,857m)に至る。ここまで、きついルートと知りつつ選択し、登ってきたのですが、実際にバテました。登山口から5時間半もかかりました。暖かく、微風が吹いて、Tシャツ1枚でも大丈夫。頂上の祠(ほこら)脇の岩の上に陣取り、パンとコーヒーで昼食。

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・12時45分に蝶ケ岳に向けて稜線歩きに出発します。せっかく登ったのに、下るのはもったいない、と思いつつ。

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・いったん下ったかと思うと今度は登り、また下り、それを何度も繰り返すと、私のように人間ができていない登山者は腹立たしく、徒労感にさいなまれます。疲労度もぐんと増します。そうならないよう、高山植物サーチを真剣にやってみました。(翌日朝の蝶ケ岳から三股への下山ルートも含め、「お花さん」の主だったものいくつかを、ここに掲示します ↓ )

 

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 カイタカラコウ(左)と、シラネニンジン(右)でしょうか。

 

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 タカネヤハズハハコ(左)と、イワギキョウ(右)でしょうか。イワギキョウは常念岳山頂に群生していました。 

 

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 ゴゼンタチバナ(左)と、ニッコウキスゲ(右)でしょうか。

 

・もう一つ、この稜線歩きで面白かったのは、自然が創り出す巨岩の芸術作品です(「お岩さん」編 ↓ )。神の仕業とはいえ、凄すぎる―、というのがいくつもあって、一人興奮していました。

 

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・16時に蝶槍を通過、16時45分に蝶ケ岳三角点(2,664m)、そして今夜の宿「蝶ケ岳ヒュッテ」着。その直前、ハイマツ帯にライチョウ(雷鳥)を見ました。「こんちわー、ちょっとそこにとどまって、ポーズつけてくれる?」のリクエストに、しばらくじっとしてくれていました。

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・下の写真、奥に見える赤い屋根の蝶ケ岳ヒュッテまで、常念岳山頂から4時間かかりました。これもネットで読んだブログの同一ルート登山記録(「子連れでテント泊なので荷物も重く、3時間10分もかかってしまった」という、一見謙遜しているかのような書き込み)の真偽、ブログで自己表現することの意味を、ずっと考えていました。 

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・1泊2食付き9,000円を払います。あまり冷えていない缶ビール(ロング缶、700円)をぐびぐび。案内された大部屋は、最悪の場合、1つの幅広布団に3人、最大36人まで詰め込まれるタコ部屋なのですが、下の写真のように、なんとこの夜は私ともう一人のおじさんの2人のみ。「1年で一番忙しい時期なのに、どういうこと?」と話し合った次第です。

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・このおじさんは、「カメラ抱えて稜線をぶらぶらしてます。もう5日布団に寝てないし、風呂も入ってない」と言ってました。歯ぎしりがきついおじさんで、夜中、殺意を感じてしまいました。

 

 

 

 【第2日=8月16日(金)】・午前5時、起床。5時20分の日の出を見て、西方を見ると、昨日は今一つガスではっきりしなかった槍、穂高方面がくっきり見えます。言葉を無くし、いつまでも観ていたい衝動。頂上に立ったものでしか味わえない、別天地です。

・朝食は5時30分から。昨夜の夕飯もそうだったけど、アルマイトプレートに缶詰の魚、佃煮、漬物など6品ほどを並べた簡素なもの。隣席のグループは、「同じ値段だけど、谷のあっち側(槍ヶ岳穂高岳連峰)の山小屋の方が、はるかにおいしい」と閉口した様子でした。だって、「あっち側」の山荘はヘリで荷揚げしてますから。

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・6時、下山開始です。その前に、南安タクシーに携帯電話をかけて、三股に午前10時半に1台、頼んでおきました。実は朝食直後に携帯電話の電池が切れてしまい、「タクシー呼べないなら、上高地に下ろうか」とまで思ったのですが、ダメ元で1回だけ再起動したら使えそうだったので、あわてて早口で電話したのでした。「よろしく」のあと、ピーピーの警告音とともに、ぷつんと切れました。

 

・まずは5分ほど歩いて蝶ケ岳山頂(2,677m)。槍、穂高方面の絶景に圧倒されます。

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・どんどん下ります。足はがくがくになります。高山植物があちこちに。登ってくるパーティーとすれ違います。人数にして30人位いたでしょうか。

・9時15分、タクシーを呼んでおいた三股に到着。ちょうど3時間で下りました。早めに来てくれていたタクシーに乗って、安曇野の実家へ。シャワー浴びて着替えて、マイカーに乗り換えて、渋滞が始まった中央道を東京へまっしぐら。忙しくも充実した山行でした。