中央アルプス・駒ヶ岳の夕陽とご来光~2014.10.11~12
今回のブログは、「落陽」と「ご来光」を中心に書いてみようと思う。
というのは、 初日、山頂から燃えるような夕陽を眺めた感動さめやらぬまま、翌朝、再び神々しいご来光に手を合わせる僥倖と遭遇できたから。長い登山経験の中でも、これほど鮮烈なのはちょっと記憶にない。
駒ヶ根駅から千畳敷カールへ
9月27日昼の噴火で、頂上付近を登山中の56人が亡くなった(10月13日現在、捜索実施中。行方不明者も7人)「御嶽山」(3,067m)に、手を合わせたかった。南アルプスか八ヶ岳を考えていた今回の山行で、木曽谷を挟み約40キロ離れた中央アルプス・木曽駒ヶ岳、宝剣岳を目指すことにした。
駒ヶ岳山頂下の小屋で魅入った落陽
10月11日(土)、午前7時18分新宿発の臨時「あずさ」に乗る。岡谷で飯田線各停に乗り換え、駒ヶ根駅に正午前到着。今回は、東京方面から山仲間5人、松本から1人の計6人が参加した。タクシーでしらび平まで。ロープウェーで千畳敷。紅葉シーズン真っ盛りで、軽装の観光客を中心に大賑わい。乗越浄土、宝剣山荘、中岳を過ぎほぼ2時間で木曽駒ケ岳(2,956.3m)に到着。
以下は、午後5時50分過ぎ、頂上木曽小屋から見た落陽である。噴煙を上げる御嶽山のシルエット。
燃えるような空。太陽の周辺の雲を「なめくじが這った跡のよう」、上の雲を「キンメダイの煮物の色」と形容したら、同僚に笑われた。
翌朝は南アルプス・北沢峠付近から神々しい太陽が
12日(日)は午前5時に起き、駒ヶ岳山頂を目指す。前日の疲れ、酒の影響…、足が重い。10分。息を切らしながら頂上へ。約30人がご来光を待ち受けている。
出た!! 5時55分。南アルプス甲斐駒ケ岳と仙丈岳の間、北沢峠のあたりから、溶岩がドロリ舌を出すかのように、橙色の朝日が昇る。
1分後。
少しずつ、周辺の山々が見えてくる。南アはもちろん、富士山、八ヶ岳、浅間山。後ろを振り返れば、御嶽山、乗鞍岳、北アの穂高・槍連峰。言葉を無くす。御嶽山は噴煙を上げ、それが南に流れて一直線の雲をつくっている。改めて合掌だ。
下の写真。寒さに震えながらご来光ウォッチをしている人たちの後方が北アルプスだ。槍の穂先も見える。その左隣が穂高岳。
宝剣岳のスリルを味わって下山へ
小屋に戻って朝食。コーヒーで温まり、午前7時に出発。駒ケ岳を登り返し、中岳を越え宝剣山荘前着。ここに荷物を預かってもらい、宝剣岳(2,931m)の大岩でできた鎖場をよじ登り、足がすくむほどのスリルを十分味わって一気に下山。しらび平からタクシーで駒ヶ根駅に着いたのは11:30。駅前の食堂で打ち上げ。電車の出発は12:46。全員、爆睡ww。新宿駅着は16:34。「あずさ」は往復指定席、加えてバス路線をあえてタクシーを利用したり、テントを担いで上がればいいのに山小屋に泊まったり、まあ“大名登山”のそしりは免れないだろうが、安全を第一に、時間と体力にゆとりをもたせた“大人の登山”であったと思うことにしている。
参加者の皆さん ↓ どうも、ありがとうございました。